琥珀といわれる種類のなかで価値が一番高いのは宝石琥珀(天然)で、偽物には、コパール(半化石の琥珀)や練り琥珀、ガラス、圧縮琥珀やアンブロイドなどといった、多くのものが出回っています。
色はもちろんですが、中に虫を入れるなど本物そっくりに作られています。
特にフェノール樹脂を原料とするベークライトは、「ハイテクプラスチック」と呼ばれ宝石商でも見分けがつかない場合が多いのです。
また、再生琥珀は、琥珀の粉を集めて固めたもので透明度があるので一定の価値はあり、一見では通常の琥珀と判別できないものと、さらには、透明度がなく色も均一なものなどがあります。
見分け方についてご紹介します。
見分け方のひとつとしては、食塩水に入れる方法があります。
容器の8分目程度までぬるま湯を入れ食塩を入れます(溶けきれないほど大量で)良くかき混ぜて、室温に戻るまで待ちます。
そして石を入れます。
本物の琥珀は、食塩水の中で浮きます。
沈んだら、プラスチックです。
浮く理由は比重の違いです。
但し練り琥珀は、本物の琥珀から作られています。そのため比重が本物と同じとなり、食塩水に入れると浮きます。
目立たないところを見つけて、針などを用意して、その先をライターなどで赤くなるまで熱します。
それを、宝石琥珀の裏側などの目立たないところにそっとあてると、プラスティックはただ溶けてプラスティックの匂いがするだけで、宝石として使われる琥珀の場合は溶け具合が少なく匂いも独特です。
匂いが松やにっぽければ琥珀、合成樹脂っぽいならプラスチックの偽物です。
目立たないところで見分け方のチェックをしますので、宝石琥珀に対しての影響は上手にすればあまりないと思いますが若干手間がかかります。
ナイフで表面に傷を付けると、本物は粉状になってパラパラと落ちます。
プラスチックは、薄片(スライス)状になってホロリと落ちます。
しかしこの方法では本物と偽物の区別は付きますが、琥珀の表面を傷つけてしまいますのでオススメ出来ません。
最後に、宝石琥珀の見分け方を確認する方法としてルーペで特徴を見極める方法があり、ルーペで表面をゆっくり確認してみると、内包物や長い年月の中で樹液の固まった時間のずれや、ごく細かいひび割れなどで線状のひずみが出来たりして琥珀のどこかで、その一部が表面にでている場合があります。
宝石琥珀は樹液が年月をかけて固まるものなので、小さな隙間や空気が閉じ込めらた空間ができて、それが研磨やカットをする段階で表面に見えやすくなるのです。
それが、表面上のどこかにあり、それが線状の亀裂や小さな穴であったりしますので、それらを見分け方の参考にするもので、どのような宝石琥珀の見分け方も基本的には同じです。
それに比較して、プラスティックの見分け方は固めるだけなので、そのような細工はなく、ルーペで見た場合でも表面全体がツルンとしていて線状の亀裂や小さな穴はないのです。
ある鑑別機関の見解ですが、数千万年単位の区切りで樹液が固まったという判定で宝石琥珀の価値を見出すもので、一定基準より新しいものはコパルで、それより古いものは宝石琥珀とのことですが、品質的に価値は変わらず、そこまで精度を上げた鑑別は一般には行っていません。
見分け方としては、コパルのほうが経年変化によってヒビが入りやすい傾向はありますが、宝石琥珀でも使い方によって、汗や保管上の影響でヒビが入ることがあります。
次に、アンブロイド(再生)の見分け方というのは、琥珀の”粒”を固めたもので、よく見ていくと、内包で粒の欠片などが混ざっているのがわかる場合がありますが、加工技術が上がって、見分けが付かない事例が増えています。
また、そのようなアンブロイドを鑑別機関に持ち込んでも宝石琥珀と認定される場合があるかもしれません。
見分けるにはよく観察し、総合的な判断が必要です。
参考になれば幸いです。
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