ミステリーセッティングについて|ヴァン・クリーフ&アーぺル社の独自技術

◆ ミステリーセッティングについて

宝石を実際に身につけるジュエリーとして完成させるには、リングやブローチなどの 台座に、宝石を固定しなければなりません。

1個のダイヤモンドを固定するには、3~5本の爪でがっちりと固定する方法が定番の技法です。

宝石のセッティングには「石留め」「爪留め」「覆輪留め」などが知られていますが、宝飾業界を 驚かせたヴァン・クリーフ&アーぺル社が、新たな技巧を完成させ発表したのが「ミステリーセッティング」です。

一見、宝石がどのようにセッティングされているのか見当がつかない、という意味からミステリー =(不可解)なセッティングと呼ばれたわけです。

ミステリーと呼ばれたこの技法は、台座側にデザインに沿ったレールを彫り、レールの溝に合わせて底の部分 をカットした宝石をはめ込んでいくというものです。

この技法を使うと、どんな曲線のデザインも可能になり 爪や彫金に邪魔されることなく、宝石の美しさを存分に発揮することが出来ます。

しかしその半面、この技法では宝石に常に普通の4倍以上のファセット(カット面)が必要で、制作には非常な 忍耐と宝石に対する深い愛情が必要となり、1個を完成させるのに最低6ヶ月から1年もの期間が必要といわれ ております。

こうした複雑な工程を必要とするミステリーセット技法を用いたジュエリーピースは極めて希少であり、毎年数点しか制作されません。

そして世界が注目したモナコ大公レーニエ3世とグレース・ケリーの婚約には、「ヴァン・クリーフ&アーペル」のダイヤモンドとパールのネックレスが贈られたことが当時話題になりました。

また、1967年にはイラン王妃、載冠式用のクラウンのオーダーを受け、4ポンドのパール、ルビー、ダイヤモンド、エメラルドで作られたクラウンは6ヶ月かけて制作されたといいます。

メゾンが1933年にこの優れた技術の特許を取得して以来、ブランドを象徴する技術であり続けています。